チタンの純なもともとの素の色は、無色のいわゆる金属色です。クレヨンのセットの呼び名で銀色と言いますが、銀ではなくチタン色≒グレー≒銀灰色です。金属ですから研磨すれば周囲にある物の色に映ります。白で囲まれたところで見ればチタンでも白く見え、アンティーク調の家具に囲まれた場所で見るとそのままのシャビーな色を映し込みます。カラーチタンも無色チタンも、表面に別の化学物質が塗布されて色が見えるのではなく、チタンの表面の反射が変わることで赤く見えたり青く見えたりします。
当工房では着色でないメタル本来のカラーを研究し、彫金に取り入れます。いわゆる銀色と広く呼ばれる金属全般には、実は色々な発色があり、
反射によりさまざまな色彩を放ちます。
チタンリングを赤系に加工する場合、バラ色のような赤ワインのような情熱的な発色があります。
赤とも言い難く、赤茶でもなく、ワイン色、えんじ、とも違う、赤茶紫という呼び方をしています。
紫を帯びた赤茶とか、茶色っぽい赤紫になる場合もあります。
ですから単純にワインレッドをイメージしてしまうと、実際には茶色が混入し、銅のように見える場合もありえます。
チタンのカラー化工は人為的、人工的に着色料をいっさい使いません。
いわば天然の発色です。
つまり、赤をねらって赤くきれいな色の指輪にしたいのはやまやまなのですが、実際には茶色くなってしまう部分も出てきたりします。
掲載見本も内側部分に茶色と見える発色が確認できると思います。
心はバラ色
バラ色の人生
情熱の赤いバラ
というように、バラのような赤は前向きな色です。
チタンというのは温かい金属ですが、バラのような赤色のチタンも、愛情の温かさを連想させます。
真っ赤に燃える太陽と言われるように、赤はぬくもりの色です。
参照資料:人間の目に異なった色として映るしくみ=光は様々な波長(注1)の電磁波の集まりです。異なった波長の光が網膜に到達して認識します。。色素
太陽の光と色波長というのは、波のピークから波のピークまでの長さ
チタンの指輪の表面には、チタン自体が発色するしくみで色が見えています。光の反射を変える酸化被膜によるものです。このチタン酸化被膜はあらゆる分野に応用されていますが、粉末にした酸化チタンの用途として、着色顔料と呼ばれるものに、白いチタンがあります。。色材顔料はもともと着色用途が第一ですが、特に「着色顔料」と呼ばれるものは、顔料が耐久力アップや粘度の調整などの他の目的にも利用される事もあるため無機顔料、有機顔料と区別して着色顔料と呼ばれるものがあります