チタンの化学変化による色の不思議をチタンふぇちの立場からアクセサリー加工に活かす実例。
着色でないメタル本来のカラーを研究し、彫金に取り入れます。いわゆる銀色と広く呼ばれる金属全般には、実は色々な発色があり、
反射によりさまざまな色彩を放ちます。
カラーは人工着色料をいっさい使っていません。
チタンが化学変化によって生じる膜によって色に見えるものです。
純チタンリングの色というのは、チタンの不働態皮膜による色が発色する色を指します。
その中で、チタンの成膜するカラーをチタンリングとしてオーダーメイドするうえで、はっきりと区別するとなると、暖色、寒色、中間色、明度の高いカラーなど、分類のしかたにもよりますが、チタンリングの場合なら5~7通り程度が、ネーミングできる色になるのではないかと思います。
絵の具のように、色番が決まった塗料はありません。チタンの皮膜の色というのは、蒸着によるプレーティングとは違います。チタンそのものの表層です。チタンとは別の金属、おもにシルバーにイオンプレーティングで蒸着させたものは、めっきとも違うものですが、一種のコーティングで出来ており、着色に近いものです。
純チタンの不慟態皮膜によるチタンの発色は皮膜の厚みで決まります。皮膜の反射の光の屈折率のちがう環境ではまた違った色に映ります。例えば空気中で紫に見ても水中ではエンジに見えたりします。
美しいチタンリングをお風呂に入ってまじまじと見入るといつもと別の色をしているのに気がつきます。ふたたび、チタンの表面が乾けばもとどおりの色に見えます。
チタンの表面には色のついた塗料が乗っているのではなく、金属の性質により光の反射が変わって色として網膜に見えているだけです。チタン以外の素材ではなく、チタン表面の反射で発色しています。青い物質がチタンの上に乗って青く見えているわけではありません。
それではお風呂のお湯が青く見えるのは気のせいでしょうか?空の青は青い物質が浮遊しているからでしょうか?夕方になるとオレンジの物質が空中を漂っているのでしょうか?
普通のH2Oで表される水が本来持っている性質には、白色の可視光を通すと、赤い光が吸収され、青い光が残るので、水が若干青っぽく見えます。これは青いバスクリンが溶けて青く見えるというのとは別の、純粋な水と光のお話です。
資料*:「市民のための環境学ガイド」に掲載された「マイナスイオンを擁護する人からの反論」に対する、水の動的構造の研究者からのフォロー
資料:光と色と物質 金属錯体の色金属の錯体と象嵌のはなしが出てくる興味深いはなしです。
指輪のように、表面積が狭いアイテムの場合、はっきり指定でき、それをコントロールして再現するには、かなり別色としての識別を可能にする必要があります。コントロールが最も安定する色はブルーです。
ペンダントの場合のチタンカラー
ペンダントが、プレート状の表面積の広いデザインの場合は、混色なども可能で、無限に色彩表現が可能ですグラデーションも、単色も可能ですので、はっきり何色まで指定ができると限定できないほどのレンジがあります。
チタンを銀色と呼ぶひとがいます。クレヨンセットに金色とぎんいろがあったからでしょう。チタンは銀色ではありませんよ、チタン色ですよ。
鉱物の色は、光に対して透明な鉱物は透過光の吸収された余色、不透明なものは反射光の色