チタンの化学変化による色の不思議をチタンの立場からアクセサリー加工に活かす実例。
着色でないメタル本来のカラーを研究し、彫金に取り入れます。いわゆる銀色と広く呼ばれる金属全般には、実は色々な発色があり、
反射によりさまざまな色彩を放ちます。
表面の反射によっても違った色として眼に映ることがあります。金属の最終研磨処理によって、濃い色の金属にも、明るい金属にも変身します。
ピカピカに磨かれた状態では濃く見えた銀色も、細かいキズでつや消し状態の質感になれば、白っぽく見えてきます。
金属は単色だと思いがちですが、表面処理により、幾重にも変貌します。
黒っぽく見える部分はチタン製、白っぽく見えるパートはシルバー製。
・色の明度差
内側の色は左右とも同じ明度の色ですが、視覚に働く色の明度差効果=色の明暗という相対的にな視覚の感覚によって違って見える例です。
・色の比較
上の作品にもカラーリング加工を施してあり、チタンの地色よりアンティーク調にコントロールして仕上げてあります。
同じものを白い紙の上に置いて見ると、対比により、視覚に暗い印象で写ります。普通の金属色より、少しこげ茶色に近い、古びて落ち着いたカラーリングです。黒いバックで撮影すると、明るく見えます。
色が見えるのは、他の色と相対的に色を感じますので、まったく同じ色であっても、比較する対象が変われば違う色だと認識されたりもします。色の見え方
黒く見えるほど、重量感を感じさせます。
色の対比により、背景より明るく見える方がより軽く感じさせます。黒いほど重厚感、白いと軽快感を与えます。
このような色の性質を利用して、制作することで、デザインコンセプトをよりクリアーに表現することになります。