チタンの化学変化による色の不思議をチタンふぇちの立場からアクセサリー加工に活かす実例。
着色でないメタル本来のカラーを研究し、彫金に取り入れます。いわゆる銀色と広く呼ばれる金属全般には、実は色々な発色があり、
反射によりさまざまな色彩を放ちます。
素材:シルバーとチタン(色無し=チタンの地色)
チタンの地金の色はシルバーより一段暗めのプラチナ色です。普通の百円硬貨のような、ステンレスのような色です。あまり比較する機会がないと思いますが、ほんとうのシルバーというのはめっきされていない素の状態のシルバーの地色は白と表現した方がいいほど明るく、すこしあたたかみのある色です。日本の古語で、銀を白金(しろがね)とも呼ぶように、白に近い明るさを持っています。まぎらわしいのですが、専門的に言いますと白い銀よりも、プラチナやチタンの方が銀色らしい色なのです。
ご注文の際はメールなどで、誤解を招くといけませんので、チタンの青などの色処理をしない色無し指定の場合を、銀色、シルバー色という言い方をするのは避けています。
誤解が多い金属名に白金があります。白いゴールドだと勘違いする人が多いのですが、プラチナのことを白金と言います。
百円硬貨は造幣局によって作られますが、このコインのデザインはどのように決められるのでしょうか。造幣局から、記念のコインが発売されることが多いのですが、それらにもチタンの発色が応用されています。そして、造幣局と国民の交流のために、イベントも開かれています。東日本大震災復興事業記念貨幣のデザイン公募期間中、工芸職員が被災地小学校に、また地方自治法施行60周年記念貨幣の発行対象県などを訪問し、デザイン公募についてや、貨幣デザインの描き方を説明し、造幣局1日デザイン教室を開催したりしています。造幣局1日デ ザイン教室「記念貨幣のデザイン等に関する検討会」メンバーとしては東京藝大学美術学部長や金沢美術工芸大教授らがされています。