チタンの化学変化による色の不思議をジュエリー加工に活かす実例。
着色でないメタル本来のカラーを研究し、彫金に取り入れます。いわゆる銀色と広く呼ばれる金属全般には、実は色々な発色があり、
反射によりさまざまな色彩を放ちます。
ホワイトメタルといえば、シルバー、ホワイトゴールド、プラチナなど白っぽい地金の素材。
色というのは、相対的に印象付けられるもの。お隣の色と比べて黒いとか白いと表現されます。
同じシルバーグレーと形容しても、実際にはシルバーとプラチナでは色味が違うし、デザインによっても違うんです。
音色ということばがあるが、弾き手の感情によっても同じ旋律、音階でも乾いた音色に聞こえたり、しっとりと聞こえたりという印象が異なるのも、相対的に蓄積された聴き手側に左右される。
銀を温かみあるシルバーと感じたり、チタンを都会的グレーと感じたりと形容されるし、関西と関東でも人気の色は分かれる。
外国では金が人気なのに対して、日本人にはホワイトメタルが人気。
ところが、チタンとなると、さまざまな発色をもちます。
ホワイトメタルに対し、暗いグレーな黒真珠の発色もチタンにはありますが、もっと黒い金属もあります。その代表がタンタルです。ただし、ダイヤモンドがブラックダイヤモンドと言うと黒いカラーダイヤを指しますが、ブラッドダイヤモンドなどと言われるようにもう一方の隠喩もタンタルは包括しています。ブラックレアメタル、あるいは、ブラッドレアメタルと呼ばれる鉱物
チタンの指輪はデザインの構造的アクセントに加え、色でポイントをつくったデザインも人気があります。
とくにバイカーなどのメンズから人気なのがチタンの焼き色。
ホワイトメタルが好きな地味なはずの日本人の好みも近年変化しつつ。
色によって、明るい印象、大人な印象が与えられるのは、その比較対象とイメージから相まってそういう感情をいだいていきます。手元を彩るジュエリーも、地金の色彩、チタンのカラーも身に着ける色として重要な役割をになっていたりします。
造幣局でも応用されるチタン:チタンを酸化させるとその表面に酸化膜が生成され、その酸化膜が、光の干渉により、あたかも着色されたかのように見えるという特性を利用し、チタン表面の酸化膜の厚さをきわめて精緻に調整することで、様々な色彩を表現する技術を貨幣に応用したテクノプルーフセットチタンの焼き色の正体はこの「あたかも着色されたかのように見える」というチタンの酸化膜の厚みの厚さ有り~薄さによるものです。結婚指輪制作のプロドットで結婚指輪に応用しています。